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2024/03/28 21:48 |
無題
夕食時、台所に大きい急須が置いてあったので、料理をしていた母に急須を指差して
「(今日の晩飯)どびんむし?」
と言った。
当然のごとく冗談だ。そもそも当のマツタケの姿が皆無である。
それなのに母はいきり立って
「違うわっっ!タケノコなんか買ってないやろっ!!」
と返してきた。

「 タ ケ 」 しか合っとらんわ!

どうやら語彙までも貧乏くさくなったようである。
ちなみにこの場合の「貧乏臭い」は「少ない」という意味合いではない。

********

台所に立つと、不意に物音が聞こえることがある。
怖い話ではなく、なんのことはないねずみがいるとかいないとかの話。
古い家には人間以外にも同居人がいるもので、たまに鳩や猫なんかも居候していたりするから、なにも驚くようなことでもない。
哺乳類だっているし所謂Gとかいう昆虫網の節足動物だって、蛛形網の節足動物だっているんだし、人類だって所詮は哺乳類じゃあないか。言い出すときりがない。
ちなみに知らない人が私の周りにちらほらいたが、蜘蛛は昆虫には属さない。昆虫と称するものには分類項があり、頭胸腹に体が分かれているとか、胸部から三対の足が出ている、触覚が二本ある等の条件を満たした節足動物のことを言うらしい。小学生の時に習ったが、詳しいことは辞書でも引いて調べると良いと思う。
脱線した。

まあ、つまり、今日も台所で物音がした。しかも視界の端に何か影が写った気がした。
チューと鳴く哺乳類が家にいることを知っていたとしても、その姿を目の当たりにすると身がすくむ。
なんてったって、あいつらは病原菌だ。
研究に使っているような無菌マウスとはワケが違う。
正真正銘、野生に生きる逞しき狩人たちだ。体の丈夫さも段違い。
よってその身にまとう年輪のごとき汚れや菌やウィルスも、そりゃあ居心地よさそうに繁殖し放題なわけである。
射殺した死骸はそのまま刺しっ放しにして腐敗すると毒矢に使えるくらいだ。マッドメンだ。諸星大二郎だ。
私は音源のサイドボードとワイヤーシェルフの間をつぶさに睨んだ。
以前、サイドボードからそやつが飛び出してきたことがあったので、またかと思った。
そうしたらワイラーシェルフの床に転がっていたペットボトルのふたが、ススッと動いたのだ!
まるで下から磁石でもって意図的に動かした鉄の塊みたいな滑らかな動きで、思わず叫んじゃったね。
ぎゃわあああああ!!
って。若い身空の女が発する奇声じゃねえ。色気もへったくれもありゃしねえ。しかし緊急の場合ほど、お育ちの出る場面はねえ。
結局私は由緒正しき庶民だったということなのさ。文句があるならベルサイユへいらっしゃい。

まあそれほどまでに驚いたんだが、叫び終えてみればなんのことはない。
ワイヤーシェルフの影からちいんまい黒い毛むくじゃらのお手てが、にゅいっと伸びてペットボトルのふたに、「ていっていっ」と喧嘩を売っていたのだ。もーちょっとで手が届きそうだけど、引っ掛けるような指がないから結局押し出す形になっちゃった。これが真相だ。
つまり、うちの黒い飼い猫「ロロ」の仕業だったわけである。
ちゃんちゃん。
ありがちな話だ。
ちなみにロロは尻の穴のまわりの毛が三角の形に剥げた黒猫の三角である。
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2008/11/13 00:28 | Comments(0) | TrackBack() | 雑記

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